瑞喜菓とわたし

瑞喜菓とわたし
太るのが怖くて
笑顔を失っていた頃

好きなものを食べて
好きなように暮らして

気づけば
毎年1㎏ずつ増えていく体重

それでも
毎日はそれなりに楽しくて

本気で「痩せよう」と思ったことは
ありませんでした

けれど──

50歳を過ぎた頃
身体のあちこちに異変が現れました

老化と体重増加が重なり
膝に痛みが走り
自由に歩けなくなったのです


これが
好き勝手に生きてきた代償なのだと

そう思いました

そして人生で初めて
ダイエットプログラムに申し込みました

1年かけて
10㎏の減量に成功

膝の痛みは消え
手術も回避できました

でもその代わりに手に入れたのは

「食べること」への
恐怖と罪悪感でした


毎日
栄養バランスに神経をとがらせ

自分だけ少なめの食事を用意し

毎朝
体重計に乗り
数字に振り回される日々

家族団らんの時間は消え

子どもたちの手作りデザートも
「後で食べるね」と言いながら

どんどん冷蔵庫に溜まっていきました

そしていつの間にか

私のために
手作りしてくれることもなくなり

食卓から笑顔も消えていました


食べたい
でも太るのが怖い

少しならいいかな
いや やっぱりダメ

食べた後は自己嫌悪

また食べちゃったな


甘くて美味しいのに 罪悪感ゼロ
心から救われた朝のひととき

こんな毎日
いつまで続けるのだろう

そう思い始めた頃
ある人との出会いがありました


「大会に出ないのに、そんなに筋トレ必要?」
「あと2㎏痩せたら、ほんとうに幸せ?」
「その食事、本当に一生続けたい?」

その問いかけのひとつひとつが

ダイエットに憑かれていた私の心を揺さぶり
深く突き刺さりました


そんな日々の中で

私はロースイーツに出会いました

甘いのに
心が満たされるのに

罪悪感を感じなくていいという感覚

それは
味の驚きというより

長く張り詰めていた緊張が
静かにほどけていくような

何とも言えない感覚でした


食べものじゃない
私自身だった

夢中になって学び
ロースイーツを作り続ける中で

あるとき
逃げ場のない感覚に突き当たりました


私はずっと

自分を信用できなくなっていたのです

何を食べるか
どう過ごすか
どこまで許すか

そんな当たり前のことさえ

自分自身で決めることが
怖くなっていました

太ることが怖いのではなく

自分の選択が怖かった


食べものには罪はない

本当は
ずっと分かっていたのに

私は

自分のこころを
直視しなかったのです

だから

自分が本当はどうしたいのか
どうなりたいのか
考えることさえも避けていました

痩せれば何でもうまくいくわけないのに


子どもへの想いと
食べることへの懺悔

卵と乳製品のアレルギー
喘息を抱えていたわが子

保育園や
お友達との集まりの中で

食事の時間になると
一人だけぽつんと隔てられる姿

寂しそうな諦めたような
そんな表情でした


私は
内向的な性格にも関わらず
料理教室に足を運び
情報を集め

必死にメニューを考え続けました


それは
「懺悔」の気持ちからでした

私の過去の食生活が
子どもに影響したのかもしれない

だから

「ただ避けるだけ」ではダメだったんです

普通より安全で美味しいものを
食べさせてあげたい

その一心でした


食べることを
もっと誇らしく 幸せに

あの頃から
どうしたらもっと美味しくできるか
どうしたらもっと美しく見えるか
自然とたえず考え続けてきました

それは今
懺悔ではなく
ロースイーツという形で
また花開こうとしています

食べることは 本来
我慢するものではない

罪悪感を抱えるものでもない

食べることは 愛すること
食べることは 生きること

一口の甘さから
心を解きほぐしてほしい

もう一度
自分自身にやさしくできるように

それが
私の心からの願いです


最後に─

瑞喜菓は
わたしの人生の延長線上にあります

遠回りのようでいて
すべては繋がっていたと感じます

数多くよりも
永くより添える
ご縁を大切に


もし今

食べたいのに怖い
整えたいのに苦しい

そんな気持ちでいるなら

無理しなくていい
我慢しなくていい

ほんのひと口からでいいのです


あなたの毎日が
もっとやさしく
もっと幸せでありますように


MIKI